川崎剣好会

川崎市立井田中学校剣道部OB稽古会or剣道部情報

剣道の上達とは③

剣道を始めて最初に覚えるのは礼法で次に足の捌き方、竹刀の持ち方、構え方、握りを変えずに肩から大きく振り上げ、真っ直ぐに打突すること。小学生から大人までが剣道の基本は全て同じ手順で教わるはずです。中学校の部活動では約2年半でこの工程を正しく教えなくてはなりません。道場であれば打突までに1年以上を要し防具を付けるのは2年かけています。部活動では基本が出来ていなくても試合に出さなくてはならないのです。中3になれば筋力が付き多少曲がって打ってもスピードでごまかせます。ただ正しく構えられなく打突と足の踏み出しが一致していなく左足が打突と同時に引きつけられないと中3では試合で勝負が出来ないと思います。試合で単に打ち勝とうと思えば相手に技を返され負けてしまいます。打つ為のストーリーが大事で高段者は作りや溜と言われています。たった2年半でこの全てを初心者に教えるにはどうするかが部活動の面白いところです。初心者が数多くの試合に小学生から出場している選手に正面からどうやって勝負をするかが指導者の腕の見せどころです。構え、姿勢、足捌きなどは日々鍛練するしか方法はありませんが右足の約3センチをどう動かすかが初心者を勝負に強くする方法だと実戦の中で感じました。打突時に左右の足の幅に重点を置きます。左足は膝を軽く伸ばし動かさずに右足のつま先を3センチ前に出し溜ることを身体で覚えさせることが重要です。文章では表現しにくいのですが初心者には置く、止める、引っ張り出すの表現でタイミングを教えます。この技術は我々大人も審査では必ず合格の鍵を握る技術だと実感しています。これが攻め勝ち、打ち勝つことのパターンだと思います。当校の試合では監督とコーチの私は全ての選手に引き出しなさいの声を掛けていきます。初心者には溜めるの代わりに半呼吸止めるタイミングの声を掛けていくのが上達のコツだと思います。堂々と打ちに行って負ける事は気にしなくて良いと選手に教え、攻め勝ち打ち勝つセオリーを身に付ければ初心者でも中3で正しく剣道が出来ると思います。最近の練習試合などで色々な学校の切り返しを見させていただいてますがほとんどの生徒が間違った切り返しを行っています。次回④では正しい切り返しについてを考えてみます。