川崎剣好会

川崎市立井田中学校剣道部OB稽古会or剣道部情報

剣道の手元について

井田中学校剣道部のある男子部員は今年の冬場はレギュラーから漏れていました。打ちが早く身体を生かせる剣道が出来れば間違い無く即レギュラーでした。昨年の新チームになった時はまずまずの成果を出してましたが試合を数多く行いはじめ、相手の打ちを避ける事も覚えてきました。すると手元を目線位に上げ避ける、構える、手元を作り、攻める順番になりその瞬間に打たれる結末になりました。我々大人は手元を上げるのは心が動いた証拠と教えられて、ある程度の技量でやっと分かる事だと思います。その部員には手元を上げて避けるなら打たれてきなさいと教えました。打たれて負けても堂々とするように教えたらこの1ヶ月で見事に手元を上げない堂々とした剣風に一変しました。手元を上げると相手からすれば打突の瞬間が分かり怖さを感じなくなります。多少打たれても構えを崩さない事の方がとても恐ろしく感じます。心構えひとつで剣道が出来上がる瞬間をその部員は私に見せてくれました。勝ちたい負けたくないの気持ちだけで強くなるのもその瞬間は良い事なのかも知れませんが高校生、大学生、大人になり正しい剣道を身に付いているかと言えば全く剣道になっていないのが現実だと思います。中学生には難しい事は言わずに負ける事の恐怖心をとること。早く打ちたいなら足でうつこと。打ちたいのを我慢して打てる瞬間を身に付けること。この三点を教えて上げると剣道の第一歩が踏み出せると思います。中学校卒業時にはこれを正しい生き方だと贈る言葉にします。毎年、子ども達に人生を教えて貰い恩を返すつもりで言葉にします。今年の三年生にはもっと深く伝えたい事があるような気がしています。三身